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足がつる原因は人によって違う|薬剤師が「芍薬甘草湯の前に」見直してほしいこと

足がつる理由

夜中に突然ふくらはぎがギューーッ!!とつって、声も出せずに痛みが引くのを待つ。一度つると、「また今夜も来るんじゃないか」と、眠るのが少し怖くなる方もいると思います。

薬局で働いていたころ、「足がつるんです」という相談は、本当に多くの方から受けてきました。

実は足がつる理由は、年代や暮らし方によって違います。若い人は筋肉の疲れや発汗、寝るときの環境が関わりやすく、年配の方は筋肉や腱の変化、そして飲んでいる薬や持病が関わることがあります。

つった時によく使われる漢方に「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」があります。頼もしい漢方ですが、甘草(かんぞう)という生薬がたくさん入っていて、ほかの漢方と重ねると甘草の量が一気に増えてしまいます。

「何が足りないの?」と気になる方も多いのですが、1つの栄養素で説明できるほど単純ではありません。

だからこそ、薬を足す前に「なぜつるのか」「いま何を飲んでいるのか」を一度確かめてほしいのです。

この記事では、私が薬局で出会った3人の方のお話をもとに、足がつる理由と芍薬甘草湯との付き合い方をお伝えします。

目次

足がつる(こむら返り)とは?

足がつるとは、筋肉が自分の意思と関係なく強く縮んで、元に戻らなくなる状態です。ふくらはぎに起こることが多く、「こむら返り」とも呼ばれます。

夜寝ている間や、運動している最中に起こりやすいのが特徴です。大人の半数以上が経験したことがあると言われていて、年齢を重ねるほど増えていきます[1]。

「誰にでも起こること」ではあるのですが、起こる理由は人によってずいぶん違うのです。

10代の陸上部員の場合——疲れた筋肉と、夏の夜の寝室

若い人の足のつりは、「筋肉の疲れ」が大きく関わっていると考えられています。汗で水分や塩分が失われることも一因ですが、それだけでは説明がつかないことも多いです。

薬局に来られた10代の男の子は、陸上部に入っていました。夏になると、夜に足がつるとのこと。

お話を聞いてみると、夜はあまりの暑さにクーラーをかけっぱなしにして、半袖短パンで寝ているそう。。

日中の練習でしっかり汗をかいて、筋肉も使い切っている。そこに、冷えた部屋で足を出したまま眠る。私は、筋肉の疲れに加えて、冷えも関わっているのでは?と考えました。否定もできないな、と。

ちなみに、足のつりは冬より夏に多いという研究もあります[2]。処方や検索の数から調べた研究で、理由ははっきりしていませんが、この男の子の「夏になると」という話とも重なります。

以前は「足がつるのは汗でミネラルが足りなくなるから」と説明されることがほとんどでした。実際、大量に汗をかく環境では水分や塩分をとることでつりにくくなった、という報告もあります[3]。

ただ、その後の研究では、水分も電解質(ナトリウムやカリウムなど、体の中で働くミネラル)も足りているのにつる例があることがわかってきました。いま有力なのは、筋肉が疲れることで、「縮め」と「緩め」を指令する神経のバランスが崩れるという考え方[1][4]。

冷えについては、「冷えるとつりやすい」と感じる方はとても多いものの、冷えそのものが原因だとはっきり示した研究は、私が調べた範囲では多くありません。それでも、冷えて筋肉がこわばった状態で眠るのは、疲れた筋肉にとってやさしい環境とは言えないと思っています。

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このくらいの年代なら、薬の前に暮らしで見直せることがたくさんあります。

  • 練習のあとに、ふくらはぎをゆっくり伸ばす時間をつくる
  • 汗をかいた日は、水分と塩分をこまめにとる
  • クーラーの風が足に直接当たらないようにする。タイマーを使う、薄手の長ズボンやタオルケットで足元を冷やしすぎない

毎日8000歩歩く70代の方の場合——「運動不足だから」ではない

年配の方の足のつりには、年齢とともに起こる筋肉や腱の変化が関わります。よく歩いている方でも、つることはあるのです。

ある70代の方は、健康のために1日8000歩以上歩いていました。それなのに、年々足がつることが増えてきたように思う、とおっしゃっていました。お薬は飲んでいませんでした。

「足がつるのは運動不足だから」と言われることがありますが、この方のように、しっかり歩いていてもつることはあります。

年齢を重ねると、筋力が少しずつ落ち、腱も短く硬くなっていきます。これが、筋肉を縮みやすくする一因と考えられているのです[2]。歩くことはとても良い習慣ですが、歩いたあとに筋肉を伸ばす時間がないと、疲れて縮みやすい状態のまま眠ることになるのかもしれません。

昔の暮らしに比べて、しゃがむ動作が減ったことで、脚の腱や筋肉が伸ばされにくくなった、という仮説もありますね[1]。

また、年配の方の場合は、持病が関わっていることもあります。糖尿病、腎臓の病気や透析、肝臓の病気、甲状腺の病気、足の血流や神経の病気、脊柱管狭窄症などです[1][2]。年々つる回数が増えているなら、一度主治医に伝えてみる価値があると思います。

そして、もう一つ気にしてほしいのが飲んでいる薬です。

研究では、利尿薬(とくにチアジド系やカリウム保持性のもの)、気管支を広げる吸入薬(長時間作用型のβ2刺激薬)を使い始めたあとに、足のつりの治療を受ける人が増えることが報告されています。コレステロールの薬(スタチン)やループ系の利尿薬との関連は小さいとされています[5]。ただし、これは薬の使われ方を調べた研究で、持病の悪化など別の理由が混じっている可能性も指摘されています[1]。

「足がつるようになった時期」と「薬が増えた時期」が重なっていないか。お薬手帳を見返してみると、ヒントがあるかもしれません。

この70代の方は利尿薬のようなお薬も飲んでいなかったので、薬以外の理由が大きかったのだと思います。薬が原因とは限らない、ということも大事なポイントです。

「何が足りないの?」への、薬剤師としての正直な答え

「足がつるのは、何が足りないから?」と気になる方は多いと思います。

結論:1つの栄養素で説明できるほど単純ではありません。

ネットで調べると、「マグネシウム不足」「ミネラル不足」と書かれた記事がたくさん出てきます。でも研究を見てみると、夜の足のつりや運動中の足のつりの多くで、脱水や、カリウム・ナトリウム・マグネシウムといった電解質の乱れとの、はっきりした関係は見つかっていません[1]。大量に汗をかく場面のように関わるケースはあるものの(先ほどの陸上部の話です)、「足がつる=ミネラル不足」とは言い切れないのです。

マグネシウムのサプリについても、年配の方の足のつりには、回数が減ることは期待しにくいという質の高い研究のまとめがあります[6]。

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もちろん、食事や水分がどうでもいい、ということではありません

汗をたくさんかいた日の水分と塩分、偏らない食事は、体の土台として大事です。また、病気や薬の影響で、血液検査で本当にカリウムなどが足りないとわかることもあります[2]。その場合は、お医者さんと相談しながら補っていくことになります。

ただ、「これさえ摂れば」とサプリを足す前に、この記事に登場した3人のお話を思い出してみてください。

疲れた筋肉、伸ばす時間のない毎日、重なっていた薬。見直すところは、栄養素よりも、暮らしや飲んでいる薬の中にあることが多いと感じています。

芍薬甘草湯はどんな漢方?——頼もしいけれど「甘草の量」を知っておく

芍薬甘草湯は、芍薬と甘草のたった2つの生薬でできたシンプルな漢方処方で、急に起こる筋肉のけいれんを伴う痛み(こむら返りなど)に使われます。ただし甘草がとても多く含まれていて、そこに注意が必要です。

足がつることを病院で相談すると、芍薬甘草湯が処方されることがよくあります。つった時や、つりそうな夜に頓服(症状が出たときだけ飲むこと)として使われることが多く、比較的よく効きます。

ミネラルを補う薬ではないのに、なぜ効くの?

「足がつる=ミネラル不足」というイメージがあると、芍薬甘草湯にもミネラルが入っているように思うかもしれません。でも、芍薬甘草湯はマグネシウムやカリウムを補う薬ではありません。

筋肉が縮むときは、神経から「縮め」という信号が届き、筋肉の細胞の中にカルシウムが入ってきます。こむら返りは、この流れが一時的に行き過ぎて、筋肉が縮んだまま戻れなくなった状態です。

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芍薬甘草湯は、この「縮む流れ」そのものにブレーキをかけると考えられています。

芍薬に含まれるペオニフロリンという成分は、カルシウムが細胞に入る流れを抑えます。甘草に含まれるグリチルリチンは、カリウムの動きに働きかけます。この2つがそろうことで、筋肉をゆるめる方向に働くとされています[7]。実際に、それぞれ単独では効果が出ない濃度でも、2つを合わせると神経から筋肉への信号が抑えられた、というカエルやマウスの筋肉を使った実験があります[8]。

ただし、これは主に動物の筋肉を使った実験から分かってきたことです。人の体の中での細かいしくみは、まだすべてが解明されているわけではありません。

つまり芍薬甘草湯は、体に足りないものを補っているのではなく、もともと体の中にあるカルシウムやカリウムの働きを調節して、「縮んだまま戻らない」という最後の段階をほどいている、と考えるとわかりやすいと思います。

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足がつる原因は、筋肉の疲れ、汗、姿勢、年齢による変化、持病、飲んでいる薬など、人によってさまざまですが、芍薬甘草湯は、その原因そのものを治しているわけではないです。

薬を足す前に「なぜつるのか」を見直してほしい、というこの記事のお話は、ここにもつながっています。

気をつけたいのは、中に入っている甘草の量

ツムラの医療用の芍薬甘草湯は、1日分(7.5g)の中に甘草が6.0g入っています[7]。漢方の中でも、甘草がとても多い処方です。

マメ知識:市販の芍薬甘草湯は、商品によって量が違います

芍薬甘草湯はドラッグストアでも買うことができます。ただ、医療用と同じとは限りません。同じ「芍薬甘草湯」でも、1日分に入っている甘草の量は商品ごとに違います。

商品(メーカー)1日分の甘草ツムラ医療用と比べると
コムレケアa(小林製薬・錠剤)6.0g同じ量
コムレケアゼリー(小林製薬・ゼリー)6.0g同じ量
満量・芍薬甘草湯エキス錠N「コタロー」(小太郎漢方製薬・錠剤)5.0g少し少なめ
ツムラ漢方芍薬甘草湯エキス顆粒(ツムラ・顆粒)3.0g半分
クラシエ芍薬甘草湯エキス顆粒(クラシエ・顆粒)3.0g半分
DHC漢方 芍薬甘草湯エキス錠(DHC・錠剤)3.0g半分

※2026年9月時点の各社の表示をもとにしています[8]。

市販の漢方でよく見る「満量処方」という言葉は、「医療用と同じ量」という意味ではありません。表では、同じ「満量」と書かれていても、甘草が6.0gのものと5.0gのものがあります。

市販の芍薬甘草湯を使うなら、つった直後に飲むのが基本です。夜中につりやすい方は、薬と水を枕元に用意しておくと安心です。一方で、「つりそうだから」と自己判断で毎晩予防のために飲むのは控えてください[9]。病院で「寝る前に飲むように」と処方されている場合は、その指示に従ってくださいね。毎晩のようにつるなら、市販薬で乗り切るより、一度お医者さんに相談を。

気をつけてほしいのは、市販の芍薬甘草湯を、病院でもらった芍薬甘草湯や葛根湯と一緒に飲んでしまうことです。そうすると、甘草はさらに重なります。市販薬を買うときも、飲んでいる薬があれば薬剤師や登録販売者に伝えてくださいね。ちなみに、たとえばツムラの市販品には「連用しないでください」と書かれています。

甘草に含まれるグリチルリチン酸という成分は、とりすぎると偽アルドステロン症という副作用を起こすことがあります。体の中の塩分とカリウムのバランスが崩れる状態で、次のような変化が出てきます。

  • 血液中のカリウムが下がる
  • 血圧が上がる
  • むくむ、体重が増える
  • 進むと、手足に力が入らない・だるい・筋肉が痛む(ミオパチー)、不整脈[7]

医療用の漢方では、甘草を1日2.5g以上含むものについて、低カリウム血症などがある方には使ってはいけない(禁忌)と、添付文書に書かれています。芍薬甘草湯は、この「2.5g以上」に当てはまる漢方です[7][10]。

甘草は薬だけでなく、のど飴や漬物、醤油などの食品にも甘味料として使われています。甘味料と体の関係については、以下の記事にまとめました。

葛根湯を毎日飲んでいた60代の方の話

芍薬甘草湯で私がいちばん気をつけていたのは、「ほかの漢方と甘草が重なっていないか」でした。甘草は漢方製剤の約7割に使われている、とても身近な生薬だからです[11]。

ある日、初めて当薬局に来られた60代の男性がいました。足がつるのでお医者さんに話したところ、芍薬甘草湯が処方されていました。

お話を伺うと、この方は葛根湯も1日3回、ずっと飲んでいました。肩こりのためだったようです。

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意外かもしれませんが、葛根湯は風邪の引き始めだけでなく肩こりにも適応があるのです。

葛根湯にも、甘草が入っています。どちらもツムラの医療用で計算すると、こうなります。

漢方1日の服用量含まれる甘草
葛根湯(ツムラ医療用)[10]7.5g2.0g
芍薬甘草湯(ツムラ医療用)[7]7.5g6.0g
合計8.0g

甘草が1日8.0g。先ほどの「2.5g」の3倍以上です。甘草を摂りすぎているのでは?と感じました。

そこでこの方には、「葛根湯をいつも飲んでいるなら、芍薬甘草湯を一緒に飲むと一部の成分が多くなりすぎてしまいます。もし肩こりなどが落ち着いているようであれば、葛根湯の飲み方を見直したほうが良い、漫然と長く飲むものではないですよ」とお伝えしました。

あわせて、足のつりについては、姿勢などほかの理由も考えられることもお話ししました。(芍薬甘草湯は、今回処方されたとおりにお渡ししました。)

この方は、きちんとお薬手帳を持参してくださったのでこちらも助かりました。この時芍薬甘草湯を処方したお医者さんも、葛根湯を飲んでいることを知らなかった可能性があります。

もう一つ。

芍薬甘草湯は、利尿薬(フロセミドなどのループ系、トリクロルメチアジドなどのチアジド系)とも「一緒に使うときは注意」とされています。どちらもカリウムを下げる方向に働くからです[7]。

先ほど書いたように、利尿薬は足のつりと関係することがあります。つまり、「利尿薬(とくにチアジド系)を飲み始めてつるようになる → 芍薬甘草湯が足される」という流れが起こりうるのです。

また、病院の薬剤師の報告には、こむら返りの予防として芍薬甘草湯を長く飲み続けていた70代の方に、偽アルドステロン症が起きた例も紹介されています[12]。

芍薬甘草湯をやめてください、という話ではないです。つった時にはかなり頼りになる漢方です。

ただ、

  • 毎日、長く飲んでいる
  • ほかの漢方や薬も飲んでいる

こんな方は、一度お薬手帳を持って薬剤師か処方したお医者さんに相談してみてください。見直すときも、自己判断でやめるのではなく、処方した先生と相談しながら進めてくださいね。

そして、お薬手帳は1冊にまとめて、市販の漢方やサプリも含めて見せてもらえると、薬剤師は重なりに気づきやすくなります。

今日からできる、暮らしの見直し

足がつりにくい暮らしのために、薬の前にできることがあります。3人のお話から、私がすすめてきた工夫をまとめます。

  • つったら、ゆっくり伸ばす:つま先を手でつかんで、ゆっくり手前に引きます。あわてて強く引っぱらないのがコツです
  • 寝る前に、ふくらはぎを伸ばす:壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを床につけたままふくらはぎを伸ばします。効果については研究によって結果が分かれていますが[13][14]、痛くない範囲で続けやすい習慣です
  • 水分をこまめにとる:汗をかいた日やお風呂の前後はとくに。持病で水分を控えるよう言われている方は、主治医の指示を優先してください
  • 足元を冷やしすぎない:クーラーの風を足に当てない。湯船で温まってから眠るのは眠りの質も高くなります。
  • 飲んでいるものを1冊にまとめる:処方薬、市販薬、漢方、サプリ。お薬手帳は1冊に

こんな時は、早めに受診を

足のつりの裏に、別の病気が隠れていることもあります。次のようなときは、様子を見ずに医療機関を受診してください。

  • 片方の脚だけ、ふくらはぎの腫れ・赤み・痛みが続く
  • 歩くとふくらはぎが痛み、休むとおさまる、をくり返す
  • 足のしびれや感覚の鈍さ、力の入りにくさがある
  • ほぼ毎晩つる
  • 日中にもよくつる、ふくらはぎ以外(手や体のあちこち)もつるようになった[2]
  • 漢方を飲んでいて、むくみ・血圧が上がる・体重が増える・手足に力が入らない・だるいなどが出てきた
  • 利尿薬や血圧の薬、コレステロールの薬、吸入薬などを始めてから、つるようになった

どこに行けばいいか迷ったら、まずはかかりつけのお医者さんに。かかりつけがなければ、内科か整形外科が相談の入口になります。薬を飲んでいる方は、お薬手帳を必ず持っていってくださいね。

妊娠中の足のつりはまた事情が違うので、かかりつけのお医者さんに相談してください。

まとめ:つったら薬を足す前に、「なぜつるのか」から

陸上部の男の子、毎日歩く70代の方、葛根湯を飲んでいた60代の方。足がつるというご相談の実際を例にお伝えしてきました。

繰り返しになりますが、”足がつったら薬を足す”ではなく、まずは「なぜつるのか」「いま何を飲んでいるのか」から。芍薬甘草湯は頼もしい漢方ですが、ほかの漢方や薬との重なりには気をつけてくださいね。

そして、今の暮らしを少し見直して整えてみること。それが、毎日を快適にする近道だと、私は思っています。

薬とどう付き合っていけばいいか迷ったときは、こちらの記事も是非読んでみてください。

参考文献・引用資料

本文中の[ ]の番号に対応しています。

  1. Allen RE, Kirby KA. Nocturnal leg cramps. American Family Physician. 2012;86(4):350-355. (夜の足のつりは大人の50〜60%が経験し、年齢とともに増えること。原因は電解質の異常より、筋肉の疲れや神経の働きが関わると考えられること。夜間・運動時とも脱水や電解質の乱れとの関連は見つかっていないこと。しゃがむ動作が減った暮らしについての仮説)
  2. Rabbitt L, Mulkerrin EC, O’Keeffe ST. A review of nocturnal leg cramps in older people. Age and Ageing. 2016;45(6):776-782. (高齢者の夜の足のつりの背景。夏に多いという研究の紹介、筋力低下や腱の短縮、関連する持病や低カリウムなどの電解質異常、利尿薬・吸入薬との関連、病気によるつりは日中や体のほかの部分にも起こりやすいこと、ストレッチの効果は研究結果が分かれていること)
  3. Maughan RJ, Shirreffs SM. Muscle cramping during exercise: causes, solutions, and questions remaining. Sports Medicine. 2019;49(Suppl 2):115-124. (大量に汗をかく工場などの現場では、水分・塩分のバランスが関わる例があること。つりには複数のタイプがありうること)
  4. Schwellnus MP. Cause of exercise associated muscle cramps (EAMC)—altered neuromuscular control, dehydration or electrolyte depletion? British Journal of Sports Medicine. 2009;43(6):401-408. (運動中の足のつりについて、「脱水・電解質不足」説より「神経と筋肉のコントロールの乱れ」説を支持する根拠が集まっているとした総説)
  5. Garrison SR, Dormuth CR, Morrow RL, Carney GA, Khan KM. Nocturnal leg cramps and prescription use that precedes them: a sequence symmetry analysis. Archives of Internal Medicine. 2012;172(2):120-126. (利尿薬や長時間作用型β2刺激薬などを使い始めたあとに、足のつりの治療が増えることを調べた研究)
  6. Garrison SR, Korownyk CS, Kolber MR, et al. Magnesium for skeletal muscle cramps. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020;9:CD009402. (高齢者の足のつりに対して、マグネシウムのサプリで臨床的に意味のある予防効果は期待しにくい、とした研究のまとめ)
    日本プライマリ・ケア連合学会「プライマリ・ケア診療各論(漢方)/漢方薬が効きません…②-こむら返りに芍薬甘草湯-」 (芍薬のペオニフロリンがカルシウムイオンの細胞内への流入を抑え、甘草のグリチルリチンがカリウムイオンの細胞外への流出を促し、その相互作用で筋肉をゆるめると考えられていること。頓服が基本であること)
  7. Kimura M, Kimura I, Takahashi K, Muroi M, Yoshizaki M, Kanaoka M, Kitagawa I. Blocking effects of blended paeoniflorin or its related compounds with glycyrrhizin on neuromuscular junctions in frog and mouse. Japanese Journal of Pharmacology. 1984;36:275-282. (カエルとマウスの神経・筋肉の標本を使った実験。ペオニフロリンとグリチルリチンは、単独では効果が出ない濃度でも、合わせると神経から筋肉への伝達を抑えた)
  8. ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)添付文書(2023年12月改訂 第1版) (1日量7.5g中の甘草6.0g、禁忌、利尿剤などとの併用注意、偽アルドステロン症などの副作用)
  9. 各社の製品情報(ツムラ、小林製薬、小太郎漢方製薬、クラシエ薬品、DHC)および一般用医薬品の添付文書情報 (市販の芍薬甘草湯の1日量あたりの甘草の量)
  10. クラシエ薬品 お客様相談室「市販薬の芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)は、こむらがえり(足のつり)で飲む場合、いつ飲むのがよいのでしょうか。」 (痛みが出た直後に服用する、服用は最小限にして連用しない、自己判断で予防のために飲まない、枕元に用意しておく)
  11. ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)添付文書 (1日量7.5g中の甘草2.0g、芍薬甘草湯などの甘草を含む製剤との併用注意。甘草2.0g/日の本剤には禁忌の設定がないこと)
  12. 薬事日報 ニュース記事(ツムラの甘草栽培研究について) (甘草が漢方製剤の約7割に使われていること)
  13. 日本病院薬剤師会「プレアボイド広場」漢方製剤による低カリウム血症・偽アルドステロン症(事例3) (こむら返りの予防として芍薬甘草湯7.5g/日を長く飲んでいた70代男性に、偽アルドステロン症がみられた事例)
  14. Hallegraeff JM, van der Schans CP, de Ruiter R, de Greef MH. Stretching before sleep reduces the frequency and severity of nocturnal leg cramps in older adults: a randomised trial. Journal of Physiotherapy. 2012;58(1):17-22. (55歳以上の80人で、寝る前のストレッチを6週間続けたグループのほうが、足のつりの回数と痛みが減った)
  15. Coppin RJ, Wicke DM, Little PS. Managing nocturnal leg cramps—calf-stretching exercises and cessation of quinine treatment: a factorial randomised controlled trial. British Journal of General Practice. 2005;55(512):186-191. (ふくらはぎのストレッチで、足のつりの回数に差がみられなかった研究)
足がつる理由

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この記事を書いた人

CHIKAのアバター CHIKA 薬剤師

薬剤師CHIKA

2025年まで、現場の薬剤師として勤務。薬剤師歴はトータル25年以上。
日々の患者さんとの対話を通して、「薬に頼りすぎない健康」の大切さを実感しています。

このサイト「薬剤師CHIKAの部屋」では、食事・生活習慣・自然な健康法などについて、薬剤師の視点からわかりやすく解説しています。

また、「ようこそ還元くんの世界へ。」という情報発信ブログと
CHIKACHAN HOUSEというショップも運営しています。

20代で慢性関節リウマチを発症しましたが、さまざまな試行錯誤を経て克服しました。

その経験もふまえ、「体を整える」という視点から健康や暮らしに役立つ情報を発信しています。

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