歳を重ねるほど、「このまま衰えていくのだろうか」という漠然とした不安を感じたことはありませんか。体力の衰え、物覚えの悪さ、新しいことへの億劫さ……。周りの若々しい人を見るたびに、自分との違いを意識してしまう人も多いと思います。
私が薬局に勤務していた頃、その答えのヒントをくれた同僚がいました。70歳で薬局に加わった薬剤師のOさんです。結論から言うと、Oさんの若さを支えていたのは、毎日の運動や食生活だけではありませんでした。もっと本質的な「ある姿勢」があったのです。
70歳で薬局に加わった、薬剤師Oさんとの出会い
2020年、私たちの職場にOさんという新しい男性薬剤師が加わりました。
薬剤師業界も人手不足に悩まされている中、Oさんの加入は大変貴重なものでした。そんなOさん、入職の時点でなんと70歳。
CHIKAOさん、本当に70歳に見えないですね!体力がすごいです!



毎日20キロウォーキングをしてます。それに、動くことが好きなんですよ



20キロですか・・・(凄すぎる)
その言葉通り、Oさんは立ち仕事が多い薬局業務でも全く疲れを見せません。後ろ姿だけだと、しっかりした姿勢や立ち姿は50代に見えます。
今回はその秘訣に迫ってみました!
Oさんの経歴 – 大きな病院の薬剤部長から、街の薬局へ
Oさんはこれまで、大きな病院の薬剤部長を務めた経歴を持っています。その後、街の薬局を手伝いながら地域医療に貢献されています。
どんな状況でも低姿勢で接し、ユーモアを交えながら場の雰囲気を和ませる達人でもあります。



以前は部下がたくさんいたので、指示を出す立場でした。でも今は、現場で患者さんと直接話せるのが楽しいんです
とのこと。
新しいものを作り出したり、仕組みを構築したりすることがお好きなようで、そういったお仕事も積極的にされていたようです。(絵がプロ並みなのも驚きました)
「なぜこんなに若々しいのか?」気になる習慣を聞いてみた
毎日の運動 – ウォーキングとゴルフ
Oさんの若さの秘訣は、何といっても日々の生活習慣です。休みの日にはウォーキングを楽しみ、20キロほど歩くこともあるそう。ゴルフも欠かしません。
新しいものへの興味 – スマホもアップルウォッチも使いこなす
パソコンやスマホも自在に操り、最新の技術にも抵抗感がありません。



Oさん、スマホもそんなに使いこなせるなんてすごいですね!
(アップルウォッチだ・・)



いやいや、興味があれば何でもやってみたくなるんですよ。
と笑顔で答えるOさん。この前向きな姿勢こそが、若々しさを保つ秘訣の一つなのだと感じます。
視力も髪も – 年齢を感じさせない体
Oさんは視力も非常に良く、薬に書いてある細かい文字を裸眼で難なく読み取ることができます。そして髪の毛も真っ黒で、白髪がほとんどありません。
かつて飲んでいた薬「ユベラ」の話



ちなみに、サプリとかそういうの飲んでいたとかあります?



今は飲んでないですけどね、20代から60代くらいまで「ユベラ」を飲んでましたね。いいよ、って先輩に言われたから。
ビタミンEを有効成分とする医療用医薬品です。末梢血管の血流を改善したり、コレステロールなどを低下させたりする働きがあり、細胞膜の酸化を防ぐ役割も期待される薬です。
Oさんの若々しさをこの薬だけで説明することはできませんが、若い頃から自分の体に関心を持ち、専門家のアドバイスを取り入れてきた姿勢そのものが、今につながっているのだろうと思います。
糖質を摂りすぎない食生活
お菓子類は極力口にしないなど、糖質を摂りすぎないよう注意しているそうです。健康を維持するための自己管理能力は、本当に見習いたいところです。
ただ、お酒は好きなので飲んでおられるようです(我慢しすぎも良くないとの事)。
本当の秘訣は、習慣より”あるもの”だった
ここまでは、よくあるアンチエイジング記事にも書かれていそうな話です。でも、Oさんと話していて、私が一番驚いたのは別のエピソードでした。



ゴルフのスコアがずっと伸びなくてね、もうやめようかと思っていたんだけど、練習場ですごく上手い人に会って。
「どうしてそんなに上手なんですか?」と思わず話しかけてしまって。
そしたらその人が「教えてあげる」って言って、僕のフォームを改善してくれたら、劇的にスコアがよくなって嬉しかったですねえ
普通、自分のフォームを一から直すのは、プライドもあってなかなか大変なことだと聞きます。でもOさんは、上手くなりたいという気持ちの前では、それが全く苦にならなかったそうです。ものすごい柔軟性だなと思いました。
薬剤師として長年いろいろな患者さんを見てきましたが、年齢を重ねても若々しい人には、ある共通点があります。
それは、体力があることよりも「今のやり方を手放して、新しいものを取り入れられる柔軟さ」を持っていることです。
以前「球体思考の力―多様な観点から生きやすさを探る」という記事でも書きましたが、ものごとを一つの見方に固定せず、多様な角度から捉え直せる人は、年齢を重ねても心が硬くならないのだと思います。



何かにつまずいた時、人に頼ってみるとか聞いてみるとか大事ですね。そして、それを受け入れてやってみることも。
薬剤師として気づいた、若さを保つ人の共通点
運動や食事は、若さを支える土台として大切です。でも、それだけでは説明のつかない若々しさが、Oさんにはありました。
新しいことに興味を持ち続けること。自分のやり方に固執せず、人からの指摘も柔軟に受け入れること。年齢を言い訳にしないこと。これらは特別な技術ではなく、誰でも今日から意識できる「姿勢」です。
「年齢はただの数字」とOさんが言うように、心の持ち方次第で人生は大きく変わるのだと、Oさんを見ていて改めて思いました。
同じように、何十年も続けてきたやり方を見直すことについては「50代からのメイク変化」という記事でも別の角度から書いていますので、よければあわせてどうぞ。
今日からできること – Oさんから学んだ小さな習慣
そんなOさんは2025年で75歳になります。まだまだ現役で元気に働いておられます!
Oさんのように若々しく生きるためのまとめを下記に記載してみました。
- 毎日の運動を習慣化する(例:ウォーキング)
- 新しいことに興味を持ち、積極的に挑戦する
- ユーモアを忘れず、周囲とのコミュニケーションを大切にする
- 厳しすぎない自己管理も多少する
さいごに
私は2025年10月にその薬局を退職しましたが、Oさんは今も変わらず、あの薬局で元気に働いておられます。2026年で76歳になられるはずですが、体力も、新しいことへの興味も、当時とまったく変わっていないだろうと思います。
環境が変わっても、自分のペースで一歩ずつ歩き続けている人がいる。それだけで、こちらまで励まされる気がします。皆さんもぜひ、Oさんの姿から、若々しく生きるためのヒントを見つけてみてください。










