医師から「リウマチですね」と言われた日。頭が真っ白になった方もいれば、どこかでホッとした方もいるかもしれません。20代でそう言われた私は、ある意味、ホッとしたほうでした。症状らしきものが出てから約1年間、診断がつかないままだったからです。
診断は、私にとって「進む方向が決まる日」でした。そしてその日、私がやってよかったことが2つ。
- すすめられた薬を、その日には決めなかったこと
- 自分にできる生活の見直しを、調べ始めたこと
薬は数週間悩んで、最終的には飲むと決めました。迷ったことは、遠回りではなかったと思っています。ただ、その迷いはひとりで抱えず、主治医に正直に伝えました。
この記事では、薬剤師で、更に患者でもあった私が、診断の日とそのあとの数週間をどう過ごしたかを書いてみました。
1年かかって、やっと「リウマチ」と言われた日
私が正式に「慢性関節リウマチ」と診断されるまでには、1年かかりました。
体に異変を感じてから、1年間、整形外科に通って痛み止めをもらっていました。それでも、リウマチという診断は出ませんでした。(血液検査のデータが診断基準に達していなかったようです)
自分では色々調べて、症状からも「リウマチだろうな」と思っていました。そうしているうちに、診断がおりないまま、だんだんと指が曲がり始めました。
その時点で、病院を変える決断をしました。
そこでようやく「関節リウマチ」と診断されたとき、私はホッとしたんです。。
リウマチは、お年寄りの病気というイメージがあるかもしれません。
現状、若い方でリウマチと言われる方が以前より増えてきている気もします。当時20代の私が言われたのですから、驚きがなかったわけではありません。
CHIKAでもそれ以上に、「診断されたら、方向性を決められる」。その安心のほうが大きかったです。
原因がわからないまま耐え難い痛みを抱えるのは、暗闇の中で光もなく迷走している状態。名前がついたことで、やっと光がさしこみ、進む方向が見えました。
関節の腫れや痛み、体のだるさなどが続いて微熱がある。。まず一般内科で相談して血液検査をして調べてもらい、自分の体の現状を知ることから。
ただ、私の場合専門医でなければ把握しきれない部分があったようで、思い切って病院を変えたことが、進む方向を決める最初の一歩になりました。
やってよかったこと① 薬のことは、その日に決めなかった
診断の日、もちろん医師はこう言いました「リウマチの薬を飲んで治療していきましょう」。
でも私は薬を「飲むか、飲まないか」を、その日は保留しました。
すすめられたのは、メトトレキサートという薬です。関節リウマチでは、診断されたらはじめに使う薬(第一選択薬)とされ、治療の中心になる薬。
薬剤師として、私はこの薬の副作用を知っていました。だから、その場で「飲みます」とはすぐに言えませんでした。。
主治医には、こう正直に伝えました。



実は私は薬剤師です。薬のメリットもデメリットもわかっています。だから、開始するまで少し考えさせてください。
「飲みません」ではなく、「少し考えさせてください」。この日にしたのは、断ることではなく、保留でした。
医師はその気持ちを受け止めてくれました。
薬剤師だからこそ、複雑だった
薬の知識は、助けになった部分もありました。説明を聞けば、どんな薬で、何に気をつければいいかがわかります。
でも、メリットもデメリットもわかるぶん、正直とても複雑でした。知っているからこそ、すぐには決められなかったのですよね。
何か薬以外の事でなんとかならないか・・と思いこの1年間試行錯誤、できることはしてきたつもり。で、「多分薬がなければこの状態は収まらないだろう」と思ってはいたものの、直ぐに「飲みます」と言えないこの面倒くさい自分。
数週間悩んで、飲むと決めた
結局、私は数週間悩んで、メトトレキサートを飲み始めました。
決め手は、きれいな理屈ではありません。体調があまりにも悪くなり、痛みは酷くなるばかりだったからです。
それでも、数週間考えたことは、無駄ではなかったと思っています。自分で考えて、自分で決めて納得した。その感覚があったから、そのあとも治療を続けることができました。
ひとつだけ、お伝えしておきたいことがあります。迷う時間は、治療をやめておく時間ではありません。私も主治医に迷いを伝えたうえで考えました。迷ったら、その気持ちを主治医や薬剤師に話して、一緒に考えてもらってください。
妊娠を考えている方へ
メトトレキサートは、飲んでいる間と、やめてからしばらくの間は、妊娠を避ける必要がある薬です。
20代で診断された私にとって、実際これは避けて通れない話でした。これからの妊娠を考えている方は、薬を始める前に、そのことを主治医に伝えて相談してくださいね。



女性だけでなく、男性の方も同じです。
飲み始めてから、気をつけてほしいこと
メトトレキサートを飲んでいる間に、高い熱、以前はなかった咳や息苦しさ、食事がとれないほどの口内炎、青あざができやすいなど、いつもと違う症状が出たときは、自己判断で様子を見ずに、早めに主治医に相談してください。
やってよかったこと② 自分にできることを調べ始めた
診断の日から、私は、自分でできる生活の見直しを調べ始めました。
薬のことは主治医と決める。それとは別に、自分の生活の中でできることは、自分に合う方法を探したかった。薬の代わりではなく、薬と並べて続けていくものとして。
まず始めたのは、この2つでした。
食事の見直し
意識したのは、糖質をとりすぎないことと、タンパク質をとること。
体を作り変えたかったんです。毎日食べるものから、自分の体を作り直していく。そう思うと、食事は我慢ではなく、自分でできることのひとつになりました。
軽く、短いウォーキング
ウォーキングを始めたのは、薬を飲み始めて、少し痛みが落ち着いてきたころです。
最初から頑張ったわけではありません。軽く、短く歩くところからでした。痛みが強い時期に無理をしなかったことも、続けられた理由だと思います。
自分の体を、自分で整えている。その感覚を取り戻すためのものでした。
ほかにも、治療と並行していろいろ試してきました。鍼灸のことは「リウマチに鍼灸は効果がある?薬剤師の体験と東洋医学の話」に、その後の治療でお世話になった薬のことも「お世話になった「アクテムラ」」に書いています。
あの日の自分に、いま伝えたいこと
診断の日は、進む方向が決まる日です。でも、どう進むかまで、その日のうちに全部決めなくていいと思うのです。
薬剤師の私でも、その日には決められませんでした。「少し考えさせてください」と主治医に正直に伝えて、数週間悩んで、納得して始めました。
薬か暮らしか、どちらかを選ぶのではなく、両方を自分で選んで続けていく。あの日から始めたことが、今の私につながっています。
診断されたばかりで、気持ちが追いつかない方へ。迷っている自分を責めなくて大丈夫ですよ。その迷いを、主治医や薬剤師に話すところから始めてみてください。
その後、私が薬をやめるまでにやってきたことは、以下の記事にまとめています。











