先日、偶然に3人の方から同じような話をされました。
「これは皆さんにもシェアせねば!」と思って、今日はそのお話を。
その内容は──
「今年は妙にお腹や足が冷えるんです」というもの。
ここ最近、急に冷え込んできたので季節的なものかな?と思いながらも、よくよく聞いてみると、どうも去年はこんなことを感じていなかったようです。
ちなみに、話してくれた3人とも同じくらいの年代の女性。
なるほど。。
更年期に差し掛かるこの時期は、自律神経やホルモンのバランスの影響も受けやすいのですが、話を聞くうちに、もう一つ共通点が見えてきました。
それは──
「去年より体脂肪率が増えていた!」という事実。
「体脂肪率」って何?
皆さんは体脂肪率、測ったことありますか?
体脂肪率とは、体重のうち「脂肪が占める割合」を示す数値です。
たとえば体重60kgのうち脂肪が12kgなら、体脂肪率は20%ということになります。
健康診断や、一部の病院やクリニック、エステサロン、スポーツジム、色々計測できる場所がありますね。家で計測できるような手軽なものも家電量販店などに売ってます。
CHIKA本格的に体の組成を見てみたい方はInbodyという体組成計で一度測ってみることをお勧めします。
https://inbody.co.jp/inbody-location/
最近は調剤薬局などにも置いてあって、無料で利用できることもあるのでいいですね!
一般的な体脂肪率の目安
| 性別 | アスリート | 標準 | やや高め | 肥満傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 男性 | 6〜13% | 14〜20% | 21〜24% | 25%以上 |
| 女性 | 14〜20% | 21〜27% | 28〜34% | 35%以上 |
女性の方が体脂肪率がやや高いのは、ホルモンや妊娠に関わる働きのため。
これは自然なことですが、問題は「増えすぎた脂肪」です。
BMIとの違い
「体重はあまり変わっていないのに、体脂肪率だけ増えた」
──実はこれ、よくある話です。
ここで登場するのが「BMI(Body Mass Index)」という指標。
これは身長に対する体重の割合を示すもので、次の式で計算できます。


判定基準(日本肥満学会)
| BMI(kg/m²) | 判定 |
|---|---|
| 18.5未満 | 低体重(やせ) |
| 18.5〜24.9 | 普通体重 |
| 25以上 | 肥満 |
BMIが「普通」でも、体脂肪率が高ければ“隠れ肥満”の可能性があります。つまり、体重は同じでも筋肉が減って脂肪が増えているという状態。



これが「冷えやすい体」につながるのですね
脂肪が増えると体が冷える理由
「脂肪は保温するから冷えにくいのでは?」と思われがちですが、実際には逆効果になることがあります。
1. 脂肪は熱を生み出さない
脂肪は断熱材のようなもの。熱を逃がしにくい一方、自分では熱を作れません。
体の熱の約6割は筋肉で生まれます。
筋肉が減ると、熱を生み出す力(代謝)が下がり、結果的に冷えやすくなるんです。
2. 血流が悪くなる
皮下脂肪が厚くなると、毛細血管が圧迫されて血液が流れにくくなります。
血液は熱を運ぶ“温かい水路”です。
流れが滞ると、手足やお腹が冷えやすくなります。
3. 基礎代謝の低下
脂肪は省エネな組織。
脂肪が増えると体は「省エネモード」に入り、燃焼効率が下がります。
食事量が変わらなくても、冷え・むくみ・だるさを感じやすくなります。
「冷え」を招くその他の原因
もちろん、冷えの原因は体脂肪だけではありません。
一般的には次のような要因も関係します。
| 分類 | 主な原因 |
|---|---|
| 血流の悪化 | 運動不足・姿勢の悪さ・長時間同じ姿勢 |
| 自律神経の乱れ | ストレス・不眠・更年期 |
| ホルモンバランス | エストロゲンの低下・加齢 |
| 栄養不足 | 鉄・たんぱく質・ビタミンB群の不足 |
| 生活環境 | 冷暖房の影響・薄着・過度なダイエット |
つまり、冷え=血流+筋肉+代謝+ホルモンのバランスの乱れ。
特に女性はこの4つが複雑に絡みやすく、「去年より冷える」と感じるのは自然なことでもあります。
温かい体を取り戻す3つのステップ
冷えを根本から改善するには、筋肉で熱を作り、食事で燃料を補い、血流で全身に届けることが大切です。
1. 筋肉を動かして「熱を生む」
- 太もも・お尻・背中など大きな筋肉を動かす
- スクワット10回×3セット、かかとの上げ下げ運動などが◎
- 階段利用や通勤ウォーキングでもOK
筋肉は「天然のカイロ」。
毎日少し動かすだけでも、基礎代謝と体温は上がります。
2. 食事で「燃料」を補う
冷え体質の方は、温かい食材と代謝を助ける栄養素を意識しましょう。
| 栄養素 | 食品例 | 働き |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 魚、卵、豆腐、鶏むね肉 | 筋肉を作り、熱を生む基礎材料 |
| 鉄 | レバー、赤身肉、あさり、小松菜 | 酸素を運び、血流を改善 |
| ビタミンB群 | 玄米、納豆、豚肉 | エネルギー代謝を促進 |
| 香辛料 | ショウガ、シナモン、ねぎ | 末梢の血管を広げる |
ポイント:
- 冷たい飲み物・生野菜中心の食事は控えめに
- 朝は白湯、夜は温かいスープやお味噌汁を
- たんぱく質を1日3食バランスよく摂る
3. 入浴で「血流」を整える
- 38〜40℃のお湯に15〜20分浸かる(副交感神経を整える)
- 足湯でもOK。足首を温めるだけで全身の血流が良くなります。
- 寝る前の白湯で内臓も温めましょう。
「作る・運ぶ・保つ」この3つを意識すると、体の中から温まります。


脂肪と冷えは“紙一重”
脂肪は体を守るための大切な組織。
でも、筋肉が減って脂肪ばかりになると、体は熱を作れず・運べず・ためられなくなります。
つまり──
「脂肪が多い=冷えやすい」ではなく、
「筋肉が少なく脂肪が多い=冷えやすい」なのです。



すごく昔の話なのですが、私は小さい時からずっと水泳をしていました。(喘息だったので親がスイミングスクールに強制的に入れました)
ただ、水泳をやめて一時期食べる習慣だけが残った結果、体脂肪率が33%にまでなったことがあります(笑)
体が常に冷えていて、体調が悪かったのを覚えていますね。
まとめ
- 去年より冷えを感じる人は、体脂肪率が増えていないかチェック
- BMIが標準でも、筋肉量の減少には注意
- 筋肉・食事・入浴で「温める力」を取り戻すことが大切
冷えは、年齢や季節のせいだけではありません。
体の中で「熱を生み出す力」が少しずつ弱まっているサインかもしれません。
だからこそ、“燃やす力”を育てる温活を。
体は、あなたが温めてあげることで、またきっと軽やかに動き出しますよ!



ちなみに、昔は「女性は生理が終わると筋肉が付きづらくなる」と言われていましたが、そんなことはありません。
筋肉を構成する「筋線維」は、傷つくと筋幹細胞が働き、修復・再生されます。
この再生能力は加齢によって多少低下しますが、男性も女性も完全には失われません。
つまり、刺激(運動)と栄養(たんぱく質)があれば、70代・80代でも筋肉は増やすことができます!










