便秘に悩む人の多さ
私自身は今のところお通じには問題がないのですが、薬局で働いていると多くの方が便秘に悩んでいることを実感します。実際に、病院で便秘薬を処方されていないものの、市販の薬を購入される方も少なくありません。
「便秘薬は癖になるのでは?」と心配される方も多いのが現実です。
良い便・悪い便
人間の糞便の形態を7つのカテゴリーに分類するために設計された診断医療ツールがあり、ブリストル・スケールといいます。下記の図の中で、③~⑤が正常です。
皆さんの普段の状態はどこに入るでしょうか?
便秘薬の種類と特徴
便秘を解消する薬には、一般的に以下のような種類があります:
- 酸化マグネシウム:水分を集めて便を柔らかくし、腸に刺激を与えずに排便を促す。
- センノサイド:腸を刺激して動きを活発にし、排便を助ける。
- ピコスルファート:腸を刺激し、便通を促進する。
さらに、漢方薬(麻子仁丸、潤腸湯、大黄甘草湯、防風通聖散など色々あり)や整腸薬も便秘に役立つことがあります。しかし、毎日薬を飲むのは大変ですし、依存性や副作用が気になる方も多いと思います。
便秘解消法は一人ひとり違う
私は患者さんに薬をお渡しする際に、食生活や生活習慣についてもお聞きすることが多いです。
特にお通じに問題がない方には、どのような習慣や食べ物で腸の調子を整えているのか興味がありました。そこで、患者さんや周囲の人にも「便秘解消法」について聞いてみると、皆さん色々な手段を持っていることが判明。
薬に頼らない:みんなの便秘解消法10選
いろいろな方の便秘解消法を聞いていると、以下のような回答がありました
- ブラックコーヒーを飲む:コーヒーが腸に刺激を与え、便通が良くなるという人がおられます。
- 牛乳を飲む:牛乳を飲むとお腹が緩くなる体質の方もいます。
- 漬物を食べる:乳酸菌が腸内環境を整えてくれると言われています。
- 白湯を飲む:一日固形物を取らずに温かい白湯を飲むことで、体がリセットされる感じがするそうです。
- 緑茶を飲む:カテキンが腸内環境に良い影響を与えるという意見も。
- ごぼう茶を飲む:水溶性食物繊維が豊富なごぼう茶で腸内が整うとのこと。
- お酒を飲む:少量のお酒で腸が刺激される方もいるようです。
- 腹式呼吸をしながらお腹を揉む:物理的に腸を刺激することで便通が良くなる場合も。
- 適度な運動(走る、ブリッジをする):運動が腸の働きを促す効果があります。ブリッジは年配層にはきつい・・
- 緑の匂いを嗅ぐ・本屋で本を探す:森のような自然の香りや本屋での探し物が不思議と便通を促す方もいるそうです。嗅覚や視覚の刺激によるものでしょうか?
最後の「緑の匂いを嗅ぐ」という回答をくださった方は、「ハイキングに誘われた時は行こうか迷う」とおっしゃってました(笑)。
なぜなら、途中で必ずトイレに行きたくなるから・・だそうです。
体質に合った方法で「マイ便秘解消法」を見つける
興味深いのは、これらの方法がそれぞれ異なる効果を持ち、体質や個人の習慣によって効き目が変わることです。ある友人は「ブラックコーヒーは薬だと思って飲んでいる」と話してくれました。カフェでコーヒーを飲んでいたのがきっかけで始めたそうですが、ブラックだとお腹が緩くなりやすいことに気づき、それが便秘解消法になったとのことです。
ちなみに、ミルクや砂糖を入れると同じような効果は得られないのだそうです。
しかし、同時に頻繁に尿意を催すようになるため(カフェインのおかげだと思います)大事な会議などが入っている時は難しい方法だそうです(笑)
さいごに
便秘解消には薬に頼る方法もありますが、自然な方法で自分に合った解消法を探してみるのも一つの手です。
人の体は百人百色。
少しずつ試して、自分にぴったりの「マイ便秘解消法」を見つけ、日々快適に過ごしましょう。