薬剤師として日々患者さんと接している中で、「病気が治っていく人たちにはある共通点がある」と感じています。いくつかの例を見ていくと、5つのポイントがその鍵になっていると気づきました。
これらのポイントを整理しながら、さらに理解を深める情報を追加してお伝えします。
1. 治りたいと思う心とそのための前向きな行動
病気が発覚したとき、多くの人は落胆し、絶望感に襲われます。特に重い病気の場合、医師からの「診断」が心に大きな影響を与えると思います。
たとえば、「あなたは〇〇という病気で、助かる確率は△%です」と言われた場合、確率が低ければ低いほど落ち込むものです。
しかし、病気を克服していく人たちは「治りたい」という強い意志を持ち、前向きに行動しています。この「治りたい」という気持ちは、自分自身を支える大きな力になります。そして、行動が伴ってこそ、その意志が結果につながります。
時に医師の診断に対し「本当にそうだろうか?」と疑問をもつ方もおられます。
こういった方がセカンドオピニオンを利用し他の医師の見解を聞いて、治療方針を変更したということも最近は良く聞くようになりました。
「自分を知る」ことの大切さ
自分の体について一番知っているのは自分自身。「第六感」に従い、「これだ!」と思う治療法や食事療法を試す勇気を持つことが大切だと思います。
もちろん、全てが成功するわけではありませんが、試行錯誤の中で自分に合った方法を見つけ出すことがまずは第一歩ではないでしょうか。
前向きな心構え
心理学的にも、「ポジティブシンキング」は健康に良い影響を与えるとされています。治療中の患者さんが希望を持つことで、免疫力が向上するという研究結果もあります。「どうせ無理」と諦めず、「まだできることがある」と考えることで、行動の幅が広がり、結果的に治療効果を高めることがあります。
玉石混交とはいえ、今はネットで多くの情報を集めることができ、実際に標準治療外でも出来ることは本当に沢山あります。
2. 理解あるドクターや病院との出会い
治療を進めるうえで欠かせない存在が、医師や病院です。信頼できる医師や施設と出会えるかどうかで、治療の結果に大きな違いが出るように感じています。
例えば、「強い薬は使いたくない」という患者の希望を受け入れてくれる医師がいるかどうかは重要だと思います。
一方で、「私の指示に従えないなら治療はしない」という医師の場合、その医師が自分に合っているのかもう一度よく考えたほうがよいと私は思います。
医師選びのポイント
これはあくまでも”私が考える”信頼できる医師とは・・です。
それは患者の意見を尊重し、一緒に治療法を模索してくれる人です。具体的には、以下のような姿勢を持った医師が理想的。
- 患者の希望や不安に耳を傾ける
- 必要な情報をわかりやすく説明してくれる
- 最新の医療技術や研究にも目を向けている
- 患者の生活背景や価値観を理解しようとしてくれる
また、口コミや実際の治療経験者の声を参考にするのも良い方法ですよね。
今の保険診療の中では上記のようなお医者さんに遭遇するのはもしかしたら困難かも・・と過去に私も思っていましたが、今総合病院の若いお医者さんで理解ある方も一部いらっしゃるようですね。
3. 良い仲間とそこからくる情報
現代では、インターネットを使えば多くの情報を得ることができます。しかし、本当に価値のある情報は人づてにしか得られない場合も多いです。時と場合によっては専門外の方がとても有用な情報をくれたりもします。
情報ネットワークの重要性
良い仲間との出会いは、必要な情報を引き寄せます。例えば、患者会やサポートグループに参加することで、自分と同じ境遇の人たちから有益な情報を得ることができます。自分で調べた勉強会なども興味があるものは参加してみても良いと思います。
情報を見極める力
ただし、情報を鵜呑みにせず、自分で判断する力も重要です。特にインターネット上の情報には、科学的根拠が不十分なものも多いため、信頼できる情報源を選ぶことが必要ですね。
4. 明るさと素直さ
治療が順調に進む患者さんには共通して「明るさ」と「素直さ」があると思っています。
ある患者さんは、つらい状況でも「どうせ同じ病気なら明るくしていた方がいい」と努めて明るく振る舞っていました。この姿勢が周囲の人を引き寄せ、良い情報や助けが自然と集まるきっかけになっているようにお見受けしました。
明るさがもたらす効果
心理的な明るさは、周囲の人だけでなく自分自身にもプラスの影響を与えます。たとえば、笑うことで体内の免疫細胞が活性化し、病気の回復が早まることがわかっています。こうした小さな努力が、病気を克服する大きな力になるのです。
ポイントとしては「まず形からでもいいので笑顔を作ってみること」と、実際このことを実践している患者さんがおっしゃっていました。「そしたら姿形に中身が引っ張られていく」と。
素直さと柔軟性
得られた情報を素直に受け取る姿勢も重要です。たとえ自分に合わないと思える情報でも、可能性があるなら試してみる価値があると思います。
その人のことを心から心配し、「大丈夫?」と思ってくれる家族・友人・知人からの情報は一旦受け入れてみることをおすすめします。
5. 何かを手放せる勇気
「治らない」という固定観念を手放す勇気です。ある患者さんは、「薬は絶対に使いたくない」という信念を持っていました。しかし、薬の適切な使い方を学び、「薬は悪」という考えを手放した結果、緊急時に薬を使って症状を和らげながら根本的な治療を進めることができたのです。
執着を手放す
病気を抱えたまま長年通い続けている病院や医師への執着を手放すことも必要なことがあるかもしれません。「ずっと通っているから」という理由だけで治療を続けていても、改善が見られない場合、環境を変える勇気が求められると思います。
新たな可能性を受け入れる
「手放す」ことで開ける新たな可能性。治療法や生活習慣を見直し、新しいことを試すことで、回復への道が広がるのことがあります。手放すということは本当に大きな、大きな勇気が必要ですが、その先には必ず新しい希望が待っていると私は思っています。
まとめ:病気が治る人の共通点
繰り返しになりますが、病気が治る人たちに共通するポイントは以下の5つ。
- 治りたいと思う心と前向きな行動
- 理解あるドクターや病院との出会い
- 良い仲間とそこからくる情報
- 明るさと素直さ
- 何かを手放せる勇気
今までに私がお話をさせていただき、大きな病から回復された方々の主な共通点をご紹介しました。
治療は時に長い道のりになるかもしれませんが、一歩ずつ進むことで、必ず新しい景色が見えてくるはずです。
病気は、その人にとっての課題であり、学びを得るためのチャンスでもあると思えるかどうか。そして、そのハードルを超えることで、健康だけでなく新たな人生のステージに進むことができると信じて下さいね。
ちなみに、下記の書籍は患者さんに教えてもらったもの。同じ境遇にある方はご一読お勧め致します。