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おならを我慢するとどうなる? — 腸とからだにやさしい正しいガス対策

こんにちは。

先日救急外来に長年お勤めされていたドクターとお話する機会があったのですが、何故かおならの話題になり・・そこで救急のドクターがこんなことを話していました。

ドクター

このあいだ搬送されてきた女性の患者さん、お腹の張り裂けるような痛みと吐き気、頭痛がひどくて半分意識を失いかけていて。

・・だけど原因は極度の便秘でガスがお腹に溜まりすぎていたんだよね。恥ずかしくておならをずっと我慢していたみたいだね。

と、いうわけでおならを我慢するとどうなるのか?についてお伝えします。

1. おならは自然な排出 ― 回数の目安と基本知識

おなら(腸内ガス)は、食事中に飲み込んだ空気と、腸内細菌が食べ物を分解するときに作るガスの両方がもとになります。ある医療情報サイトでは、健康な成人ではおならは 1日おおよそ 8~25回(多くの情報で7〜20回) が「正常範囲」の目安とされています。

そのため「おなら=不潔・異常」と考えるのは間違い。むしろ適度にガスを出すことは、体の自然な排出プロセスの一部です。

CHIKA

この回数にはちょっと驚きましたが、気が付かないうちに自分もこのくらいしているのでしょうか・・!?

2. 「我慢」が続くと起こりやすい不快症状

「たまに我慢するだけなら大丈夫」という意見が多い一方で、習慣的に我慢を続けると次のような不快を感じやすくなります。

  • 腹部の張り(膨満感)、圧迫感、腹痛や不快感
  • ガスや内容物の腸内移動が妨げられ、便通の不調(便秘・排便感の異常)につながる可能性
  • 腸のぜん動運動が鈍くなり、ガスが滞留しやすくなることで不快感が長引く

ただし、これらは「不快な症状が起きる可能性」であって、「必ず腸閉塞」「命にかかわるような病気になる」といった確かな因果関係を示す科学的な根拠は、現在のところ十分ではありません。複数の医療情報では「深刻な合併症に至る可能性は非常に低い」とされています。

3. ガスが増えやすい原因とは? 食事や生活習慣を見直す

おならの回数やにおい、腸内ガスのたまりやすさには、食事内容や生活習慣が大きく影響します。以下のような要因があります。

  • 豆類やアブラナ科野菜、乳製品、炭酸飲料など、ガスを発生しやすい食品の多量摂取
  • 早食いやよく噛まずに飲み込むことで、空気を多く飲み込んでしまう食べ方
  • 運動不足や座りっぱなしなどで腸の蠕動運動が低下する生活
  • 食物繊維の摂りすぎや、糖質不耐症(乳糖不耐、FODMAP 感受性など)による過剰発酵

これらを見直すことで、ガスの発生・滞留をある程度コントロールできる可能性があります。

CHIKA

「野菜は食物繊維があって腸にいい」というイメージがありますが、私は一定量以上野菜を食べすぎると逆におならが止まらなくなります!!!

あと、早食いなので空気を結構飲み込んでいる可能性は高いです。

4. ガスをためず快適に過ごすためのセルフケア

日常で取り入れやすい対策としては、次のような方法が挙げられます。

  • 食べるときはゆっくりよく噛む、ガムや炭酸飲料を控えるなど「空気を飲み込まない工夫」
  • ガスを発生しやすい食品を摂りすぎないように、食材や量を見直す
  • 定期的な軽い運動やストレッチ、寝る前に「ひざを抱えるポーズ」など腸を動かすマッサージ 
  • 発酵食品などで腸内環境を整え、水分補給を意識する 
  • 我慢せざるを得ない場合は「人目のない場所で短時間だけ」ガスを抜く。「過度な我慢」は可能な限り避ける
  • 整腸薬を使ってみる

こうした対策を続けることで、多くの人は不快感の軽減や腸の調子を整えることが期待できます。

CHIKA

これもまた人づてに聞いた話なんですが、昔「お腹がいたい」救急搬送されてきて、ドクターから「納豆の食べすぎ」と言われた人がおりました・・

発酵食品も体にいいとは言え、沢山食べすぎると良くないんですね。
しかし、納豆をどのくらい食べていたのやら・・💦

ちなみに整腸薬は「ビオスリー」がお勧めです。酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の3種の菌の相乗作用が期待できます。
(商品によっては乳酸菌だけ、酪酸菌だけ、というものもありますのでまずは一通り摂取できるビオスリーは良いと思います)

CHIKA

お腹の中のガスを消すという薬もあるのですが、普通に動ける方はその根本原因を取り除いたほうがいいですよね。

5. こんなときは注意 ― 医療機関を受診すべきサイン

おならやガスの問題は多くの場合セルフケアで改善しますが、次のような場合は、腸の病気や消化器疾患の可能性もあるため、医師や薬剤師に相談するのが安全です。

  • ガスの頻度やにおい、異臭が急激に増えた
  • 腹痛、下痢、便秘、血便、体重減少、貧血、発熱などが伴う
  • ガス抜きで改善せず、慢性的にお腹の張り・不快感が続く 

このような場合、例えば 過敏性腸症候群 (IBS) や 小腸内細菌異常増殖症 (SIBO)、あるいは消化管の構造的な問題を調べる必要があることもあります。

特にニオイは注意していたほうが良いです。

6.まとめ

おならは自然で健康な排出行為であり、「我慢=無害」と思いすぎるのも、「我慢=重篤な病気」という断定も、どちらも誤りだと思います。

習慣的な我慢が続くと、腹部の張り、不快感、便通の乱れなど消化不良を起こす可能性がありますが、重大な病気につながるかどうかは科学的に明確ではありません。

一方で、食事や生活習慣の見直し、適度な運動、腸を刺激するセルフケアなどを上手に取り入れれば、ガスの発生や不快感を抑え、快適な腸の状態を保つことは十分可能です。

つまり、重要なのは「恥ずかしいから」と無理に我慢するのではなく、「体の声を聞きながら、無理せず自然に出せるタイミングをつくる」、そして「食事・生活を整える」ことだと思います。

ご参考になれば幸いです!

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この記事を書いた人

薬剤師歴20年以上。本業の傍らで「ようこそ還元くんの世界へ。」という情報発信ブログとショップを運営しています。こちらの「別館」では還元くん・メビウスウォーター以外の情報発信を主に行っています。20代で慢性関節リウマチを発症し克服するまでに行ったことや考えたことなども含め、いろいろ発信しています。

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