手荒れの本当の原因とは?
数年前のコロナ禍、私たちは手洗いや消毒を徹底する生活を余儀なくされました。その中で、多くの人が悩まされたのが手荒れではないでしょうか?
冬の乾燥だけでも手荒れの原因になりますが、コロナ禍ではさらに頻繁な手洗いやアルコール消毒が加わり、手荒れの症状は一層深刻になったはずです。
テレビなどで「手荒れの原因は洗浄剤や手のこすりすぎ、そしてアルコール消毒による水分の蒸発」と解説されることがありますが、実はこれだけではありません。
手荒れの本質的な原因の一つは、皮膚の常在菌にあります。
一番大事な事を言ってない!!!と思いました。
皮膚を守る「常在菌」の役割
私たちの皮膚には目には見えない数多くの細菌が住んでいます。これらはまとめて「常在菌」と呼ばれ、肌を守る重要な役割を果たしています。中でも、表皮ブドウ球菌は皮膚のバリアを形成し、外部の刺激や感染から肌を守る頼もしい存在です。
表皮ブドウ球菌は、皮膚の角質の隙間に住み、皮脂や汗をエサにして繁殖します。しかし、以下のような行為が彼らにとって過酷な環境を作り出します。
- ゴシゴシと手をこする手洗い:角質が傷つき、住処を失います。
- 頻繁なアルコール消毒:脂分が失われ、栄養源がなくなります。
- 乾燥した冬の空気:汗の量が減り、水分も不足します。
これでは表皮ブドウ球菌が十分に働けず、結果として肌のバリア機能が低下し、手荒れが進行してしまうのです。
さらに追い打ちをかけるようにアルコールを手に吹きかけてしまう・・それは痛みがでたりしみたりしますよね。
手洗いと消毒の「バランス」を考えよう
もちろん、衛生管理は大切です。しかし、必要以上の手洗いや消毒はかえって肌の健康を損なうことを知っておきましょう。実際、皮膚の常在菌は洗い流されても約30分で再び元に戻ると言われています。そのため、適度な手洗いで十分な場面が多いのです。
たとえば、普段の生活では水だけでの手洗いで十分なことがほとんどです。また、飲食店などではアルコール消毒の代わりに手洗い場を設置することが理想的かもしれません。これにより、肌への負担を軽減しつつ、衛生を保つことができます。
手荒れを防ぐためのケア方法
手荒れを防ぐためには、皮膚の常在菌が活躍できる環境を整えることが大切です。以下の方法を参考に。
1. 乾燥を防ぐケアを徹底する
手を洗った後は必ず保湿をしましょう。市販のハンドクリームを使用するのも効果的ですが、水分と脂分を同時に補うことが重要です。
2. おすすめのケア方法
私がよく行っているのが、手を洗った後に水分を完全に拭き取らず、そのまま馬油を塗り込む方法です。この手順で、肌に水分と栄養をしっかり与えられます。
3. 手洗いの頻度を見直す
必要以上の手洗いや消毒は控えましょう。皮膚のバリアが壊れると修復には時間がかかり、最悪の場合、ステロイドなどの薬を使う必要が出てきます。バランスの取れた手洗いを心がけることで、常在菌と肌の健康を守ってくださいね。
まとめ:菌たちと共存する知恵を
手荒れの原因や予防方法を知ることで、日々の生活をもっと快適に過ごせるようになります。
大切なのは、「清潔」と「保護」のバランスを取ること。
手洗いや消毒を行いつつ、皮膚の常在菌と上手に共存する知恵を身につけていきましょう。
手荒れ対策もまた、健康のための「バランス」を考える良いきっかけになるのではないでしょうか?