歯のケアと認知症予防に関する研究が注目を集めています。歯科医師や研究者が行ったさまざまな研究により、お口の中の清潔と認知症や糖尿病他、様々な疾患のリスクに関連があることがわかっています。その理由や具体的なケア方法についてお伝えします!
お口の中の清潔と認知症リスクの関係
まず、お口の中の清潔が認知症リスクにどのように影響を与えるのか・・と言う点について。
歯周病や歯肉炎などの口腔内感染症が全身の炎症を引き起こし、それが脳に影響を及ぼす可能性があるとされています。特に歯周病の原因となる細菌は、血流を通じて全身をめぐり最終的には脳に到達し、神経細胞の損傷を引き起こす可能性があります。
具体的な研究の例
例えば、神奈川歯科大学の研究では、定期的な歯科検診と正しい歯磨き習慣が認知症の発症リスクを低減する可能性があることが示されています。また、アメリカのアルツハイマー協会も同じ結果を報告しており、口腔衛生を保つことが認知機能の低下を防ぐ重要なポイントであると指摘しています。
同じように糖尿病などのリスクも
口腔内の感染や炎症があると、体内で炎症性物質が放出され、これがインスリンの作用を妨げることがあります。結果として、血糖値のコントロールが難しくなります。
更に歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼし、結果的に心臓や血管への負担、腎臓へも大きく負担がかかります。
私の体験1
薬局にいらっしゃる患者さんに、100歳になってもお一人で薬をもらいに来る方がおられます。
100歳にならないまでも、「私もうすぐ90よ」と元気な方も。
皆さんとても会話がクリアで、背筋もシャンとされてます。これらの皆さんの共通項の一つとして「歯がしっかり保てている」ということがあります。(その他お食事なども気を使っておられるのかもしれませんが)
皆さんにお話を伺うと、一部は差し歯などになっているけれど大切に歯を使うようにしているようですね。
逆に、残念ながら認知症を発症されている方の多くはお口の中に何かしらトラブルを抱えておられたり、歯が抜けてしまってもそのままにされているケースが多いように思います。
私の体験2
私は20代の後半で慢性関節リウマチを発症していますが、この時に「お口の中の清潔は大事」というを知りました。
この時は歯間ブラシやフロスなども使っていませんでしたし、興味もありませんでした。
歯科にも予防で行ったことはありません。
間接の腫れがあったり、軽く熱がでたりしますが「なぜ関節や体で炎症が起きるのか」を考えたときに「どこからか異物が入ってきているのではないか」と思いました。
色々調べた結果「口の中のバイキンが歯周ポケットから入り込み、血管に入って全身をめぐる」という文言を見た時
これかもしれない・・
と思い、そこからはとても意識するようになりました。
あとは「リーキーガット」という、いわゆる「腸漏れ」の状態も考えられましたが、これはまた別の記事で書きますね。
予防のための具体的なケア方法
では、どのような口腔ケアが認知症予防に効果的なのでしょうか?以下にいくつかのポイントを挙げます。
1. 定期的な歯科検診:
少なくとも半年に一度は歯科医師によるチェックを受けると良いと思います。
2. 正しい歯磨き:
磨き方のコツを歯医者さんで教えてもらいました。ちゃんと磨くと10分以上かかります(笑)
歯磨き粉に関しては一般的にフッ素入りがお勧めされますが、私は何もつけずにブラッシングだけにしています。
3. デンタルフロスや歯間ブラシの使用:
歯ブラシだけでは取りきれない歯間の汚れが結構あります!デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。
私はデンタルフロス派です
4. バランスの取れた食事:
一般的な話ですみません。。が、結構大事だと思います。
歯周病で悩んでいた方の食事を伺ってみたところ、かなりの糖質過多でした。食事を意識するだけで口の中の環境が変わり、体質も変わってきます。
5. 禁煙:
喫煙は歯周病のリスクを高めると一般的には言われていますが、喫煙してもちゃんとその後のケアをすれば私はいいと思ってます。
6.ロイテリ菌のタブレット:
ロイテリ菌は乳酸菌の一種で、お口の中の環境の改善に効果があるとされています。歯周病の原因となる悪玉菌の増殖を抑え、口腔内のバランスを保ち口臭なども防いでくれます。また、口内炎の発生を抑える効果があることも知られています。
多くの製品が販売されているので是非一度調べてみて下さい。
1日に1~2錠を食べる感じですね。
もう20年以上前の話ですが、近所の歯医者さんで「ビオフェルミン(粉のタイプ)」というお薬を歯ブラシにのせて歯を磨くように指導している歯医者さんがいました。ビオフェルミン(粉)にも乳酸菌が含まれますので、先見の明がある先生だったのだな、と思いました。
が、粉の中には賦形剤など他のものも含まれるので、これがよかったのかどうか・・
最新の歯周病治療
歯周病の最新の光治療法として「光殺菌治療(LADまたはPTD)」という治療法が注目されています。これは、歯周ポケット内に光活性剤やバイオジェルと呼ばれる薬液を注入し、特殊な波長の光を当てることで殺菌ガスを発生させ、歯周病菌を殺菌する治療法です。
東北大学の歯学部が開発しました。
治療も既に多くの歯科医院さんで受けられますよ。
まとめ
歯のケアが認知症予防に効果的であるという研究結果は、私たちの日常生活に大きなヒントを与えてくれます。
毎日の歯磨きは必須だと思いますし、歯科検診も活用したほうが良いですね。お口の中の清潔を保つことで、将来的なさまざまなリスクを低減することが期待できます。今からでも全然遅くないです。お口の中を是非意識してくださいね。
おまけ:おすすめの書籍
こちらの書籍、広島県の中西ドクターという「歯道」を提唱する方の書籍。
歯に関する知識からおすすめの歯ブラシ・歯磨きペースト、体に良い食べ物の選び方など多岐にわたって情報があるので一読の価値あり!